【8月】文・近藤太郎

8月に入って木曽もとても暑い。と言っても都市部に比べるとそこまでは暑くないのだと思う。夜なんかは涼しくてとても過ごしやすい。

話題は二つある。

まずは王滝村のストーブの炉壁にフレスコ画を描く仕事は終えた。絵の内容は木曽で栄えた森林鉄道、特に王滝村は森林鉄道が全国から少なくなっていく中でかなり最後の方まで残っていた。森林鉄道は材木の運搬だけでなく、通勤、通学、物資の運搬にも使われていて、滝越という王滝村の中でもさらに奥にある集落から街の中心部の学校に行くための専用車両もあったみたいだった。そのおかげで僻地にいる子供たちも他の子供達と同じように教育を受けれるようになったと映像の資料にはでていた。他にも髪を散髪する車両もあったり、花嫁が森林鉄道に乗って嫁ぎにいくみたいなエピソードもあった。調べたり、映像をみる中で、山や自然に隔てられた村は森林鉄道によって一つに繋がり、今より多かった住人たちの精神的な繋がりにもなっていたように思えた。

今の王滝村は歩いていてもなかなか人は見かけないし、とても静かな印象だ。もちろんあまりずっといるわけではないから活気があるかないかは分からないけれどとにかく人口が少ない事は確かのようで今とその過去の映像のギャップに少し驚いた。

炉壁には本や映像に出ていた色んな時代の人を描いた。それぞれ時代は違うけれど森林鉄道に関わって生きていた人を同じ列車に乗せて未来に行くようなそんなイメージで描いた。

ストーブの炉壁は終わったけれど、同じ宿のキッチンのドアと、玄関にも絵を描く仕事が入ったのでそれらをやる予定だ。昨日キッチンのドアをやろうと思って王滝村に行ったけどこの暑さでぼーっとしてるのか忘れ物をしてほとんど何も出来ずに帰ってきた。ショックだ。

二つ目の話題は木曽ペインティングスの「木祖村スタア誕生プロジェクト」だ。

9月1日で2人目のスタアが誕生する予定で、1人目のスタア「エディー巣山」はラジオにも出演したりしてスタア街道まっしぐらな感じ。ラジオの打ち上げは焼肉。なんだか自分も業界人になった気分だ。2人目の青木モエシャンもかなり良い感じだ。ネタバレになるのであまり言えないけれど。最初の方は2人とも役場の人であるし本当にやってくれるのかな、とかスタアになれるのかなと周りのスタッフとして少し思いながら始めるのだけど録音や撮影である一点を超すと急に主役を包む空気全体がスタアになるので面白い。もしかしたら人類全ての人にスタアになれるスイッチがどこかにあるのかもしれない、と最近は感じ始めている。



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