2019/6.6ー22

芒種から夏至まで 

木曽ペインティングスVol.3

藪原宿プロジェクト

【タイトル】

「夜明けの家-寝覚めに紡ぐ宿場町の夢-」

 

【会期】

2019年6月6日から22日まで

(芒種から夏至まで)

 

【会場】

長野県木曽郡木祖村

薮原宿に点在する空き家

 

大銭屋/おおぜにや

 大つたや/おおつたや

 新大坂屋/しんおおざかや

南寿屋/なすや

 江戸枝屋/えどしや

​大半/だいはん(空き地)

【企画・展示】

岩熊力也 / 大沢理沙

【参加アーティスト】

 

中沢研、木曽路(彦坂敏昭・鬣恒太朗・前谷開)、船井美佐、山下勝彦、藤原裕策、胡桃澤千晶、高澤日美子、池上怜子、義家麻美、稲垣柚実、菊地風起人、坂口佳奈、近藤太郎、

伊藤美緒、谷口智美、新野伽留那、金海生、菅野由紀、手塚美月、

片山初音、奥谷風香、ベアトリス・サンチェス・スリタ

 

 

 

 

【目的】

かつては江戸と京を繋ぐ中山道の中間地点として人々の往来が絶えなかった信州木曽谷だが、最近の少子高齢化率は県内でもトップクラスとなっている。それに伴い空き家の増加が問題となっており、日本家屋が美しく建ち並んでいた宿場町の景観も大きく崩れつつある。今回中山道三十五番目の宿場町である藪原宿の空き家六軒を、招致したアーティスト約二十名と共に清掃作業や地域住民への聞き取り等の調査を行い眠っていた空間を目覚めさせ、かつての宿場町の記憶を呼び覚まし地域の魅力に別の角度から光をあてていく。

 

 

【タイトルに込めたもの】

木曽を舞台に近代の幕開けにゆれる人々の姿を描写した島崎藤村の小説「夜明け前」。それから明治大正昭和平成と高みを目指し前のめりに必死で生きてきた私達の百五十年。もしかしたらいまだ夜は明けておらず私達は夢を見続けていたのではないだろうか。しかし夢は目覚めと共に忘れられてしまう。2019年に平成は終る。明治大正昭和平成と生き延びてきた宿場町の家屋。夜明けの境で私達アーティストがここで生き死んでいった者らの夢を紡ぎ、次に目覚めた者らに伝えていきたい。そんな想いをタイトルに込めた。

 

 

【事業内容】

展示会場として使用できるように整備し使用される空き家は大銭屋・大つたや・新大坂屋・南寿屋・江戸枝屋(全て屋号)の五軒で全て明治期から今に至る建築である。その殆どが生活していた時のままに放置されたか物置として使われ埃に埋もれている。私達はその家の記憶を留める物は残しつつ片付けと清掃作業を行う(村役場の協力で空き家の主との話し合いが進み清掃作業は2018年9月よりすでに開始、今後地域住民への説明会の回数を重ねていく)。そしてその家を知る人々へのインタビューを行い、その音声を各会場にながす。

各会場はあたかもまだ人が生活しているかの様な状態に整え、その空間にアーティストがその家の歴史や特徴を踏まえ作品を入れ込んでいく。例えば電気の通らない江戸枝屋は光と影を利用した展示となる。観客は家に足を踏み入れた途端にかつてそこで暮らしていた人々の気配や暮らしぶりを目の当たりにするだろう。

近代の夜明けとともにそれまで東アジア文化圏の一員として中国美術の影響下にあった日本だがそれを捨てて一気に西洋化に舵を切る。その過程で庶民生活と美術の乖離は大きく進み、いまでは庶民の手の届かない1%の富裕層の為にアートは存在しているかのようだ。木曽のような山間部ではアートとは無縁のまま生涯を終える人もいる。庶民の生活空間とアートは無関係なまま不幸な百五十年を過ごしてきてしまったのではないだろうか。

今回のプロジェクトで私はあり得たかもしれない庶民生活とアートの至福な関係を創り出してみたいと考えている。伝統的な日本家屋の中で生活に溶け込むように共存しながら良好な関係を築いて来たかもしれない百五十年を夢見たい。また空き家に光と空気を入れ荒廃気味の旧宿場町に賑わいを呼び込む事で地域の空き家活用活性化に繋げたい。そして若い世代があらためて地域の歴史を知る場となればよい。

【国際交流】

2017年に続きメキシコからアーティストを招致する。木曽での約一カ月の滞在中にはオープンスタジオでの作品制作だけでなく、地域小学校でワークショップの開催も予定。互いの文化を知る機会を持ち交流を深める。東京の美大で学ぶ中国人アーティストも参加し、互いの文化を感じる良い機会となればよい。

 

 

【若手育成】

参加アーティストのうち10名程が学生や卒業したての若手アーティストである。都市部のアートシーンとは異なる環境の中に身を置き地域の生活にふれながら制作する事で発見することは多いと考える。人類はなぜ絵を描くのかという問いにあらためて向き合う時間としたい。

 

 

【その他イベント】

・各アーティストの滞在中に地域住民対象のワークショップを開催する。

・地域の企業とのコラボレーションを企画する。酒蔵とのラベルコラボなど。

・地域で活動する他団体と会期を合わせてイベントの開催ができないか模索する。

 

 

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【今後の展望】

・藪原宿の空き家の一つを木曽ペインティングスが運営するスペースとして整備し活用していく事ができないか検討する。ギャラリー/カフェ/ショップを備えた文化の発信拠点となるスペースを運営し、地域住民のコミュニティの場を創出したい。

・毎年木曽ペインティングスのイベントとして空き家活用を継続していく事で、空き家の利用希望者や移住者の増加につなげていきたい。

・藪原宿全体が常に賑わいのある文化的な町になることを目指す。

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木曽ペインティングス事務局

​長野県木曽郡木曽町日義4898-522

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